
備長炭と秘伝のタレ、丁寧な仕事を貫いて名店へ
シンプルだからこそ丁寧な仕事が生む至福の美味しさ
鰻の名店として愛される炭焼きうなぎ専門店「たてまつ」。平日でも待ちが出るほど、ここ飛島村の人気店です。
「創業は昭和の終わり頃、そして平成9 年に私が店を引き継いで今に至ります。」と店主。創業当初は鯉料理も提供していた当店。時が経つにつれて鯉料理からうなぎ料理へとシフトしていき、現在のうなぎ専門店の形態に落ち着きました。
「うなぎ専門だから、やることはシンプル。同じ事を丁寧に繰り返しやり続けてきただけ。」と控えめながら職人かたぎの店主は話します。「店を継ぐ前に修業していた老舗でも、鰻の美味しさを追求するなら鰻以外のことはやるなと教えられました。親父も普段は大人しい人だったけれど、仕事のことになると頑固で絶対に手を抜くことはしなかった。親父から直接教えてもらう機会は少なかったけれど、その姿は心に残っていて、私もとにかく丁寧な仕事を心がけてきました。」
地焼きの香ばしさとタレへのこだわり
こだわりの鰻は、備長炭の火で生から焼き上げる地焼き式。余分な脂が炭火に落ち、パリッとした食感と香ばしさが生まれ、凝縮した旨味が口いっぱいに広がります。「鰻は産地にこだわらずその時々で最も状態の良いものを仕入れています。素材と炭と焼きにこだわって、毎日手を抜かずに当たり前のことを当たり前にやる。それが美味しさの秘訣です。」と店主。
鰻の蒲焼きに使うタレは先代から継ぎ足してきた「たてまつ」の秘伝の味。醤油風味が強くあっさりとした甘みが特徴で地焼きの香ばしさを一層引き立てます。「瀬戸や多治見もうなぎ料理が有名ですが、うちのタレはその風味に似ています。親父の味の良さを残しながら、自分なりに工夫もして今の『たてまつ』の味になっています。」とこだわりを話してくれました。
「お米は自家製。毎日精米しているのでご飯が美味しいのも、お客さんが褒めてくれる点です。やっぱり精米したてのお米は風味が違いますよ。飛島村のお客さんは農家さんも多いから、お米にはちょっとうるさいんですよ。」と笑います。
変わらぬ味を地元でつくり続ける
最近ではWeb サイトやSNS の口コミを見て、遠方から来店されるお客様も多いそう。
「ある日、ツーリングに来られた方がうちのお店に寄ってくださり、ブログで紹介してくれたそうです。それから間もなくそれを見た別のツーリングのグループのお客さんが30 名くらいで来店されてびっくり。口コミのすごさを感じましたね。」今ではインバウンドの影響で観光で滞在中の外国人のお客様も増えているとのこと。「もっと英語を話せるようにならなきゃね(笑)」と話す一方、「うちは店のレイアウトは父の時代からずっと変えずにやってきた。それは昔なじみの人が来てくれたときにでも、変わらないねと安心して欲しいから。」と地元にも思いを馳せます。
「産業道路が開通したりコンビニや物流施設ができたりと、社会の変化とともにこの辺りの風景はどんどん変わっている。村の誘致で若い世帯が住宅を構えて増え、村が賑わうことは良いことだと思います。昔からうちを愛してくれるお客さんを大切にしながら、新たなお客さんにも喜んでいただける店づくりと鰻の味を守り続けていきたいと思います。」
鰻について語る時、「丁寧」という言葉が繰り返し出てくる店主の言葉には、鰻料理に対する真面目で真摯な姿勢が強く感じられます。炭焼きうなぎ専門店「たてまつ」、職人の仕事が生み出す至福の美味しさを是非味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。