喜びのときも哀しみのときも。人生のそばには花がある。

古民家の奥に広がるのは、ドライフラワーが織りなす非日常空間

観葉植物に彩られた古民家へ一歩入ると、そこには美しいドライフラワーに埋めつくされた非日常空間が広がります。ここは、花と雑貨と古民家のカフェ「unitedbamboo」さん。店名の由来は、竹(bamboo)のような生命力が集う(unite)場所であることを願ってとのこと。生花やドライフラワーの販売とフラワーアレンジメント教室を行っているほか、旅先で仕入れた味わい深い個性のある雑貨や器の販売、カフェではアジアンテイストのフードを提供しています。

この多彩な空間を演出しているのは、オーナー兼フローリストの佐藤浩司さん。お店を始めたきっかけは、大学卒業後、旅行会社で働いたものの、自分には合わないと退社し人生を模索していた時のこと。偶然、男性フローリストが営む花屋に入り、「男性的で華麗な和風のアレンジがカッコよくて、これだ!と思ったのです」

思い立ったら即行動の佐藤さん。24歳で花を学ぶ専門学校へ。その後、いろいろな花屋さんで実践的に修業し、27歳の時に一念発起し独立、金物屋を営んでいた実家の店舗をリノベーションして開業しました。

アジアン雑貨の販売で、タイの孤児たちの生活施設のサポートも

花屋のスタートは順風満帆と思いきや、「開業当初は、イメージしていた和の草花を中心にアレンジを提供していましたがうまくいかず、ブライダル装花の仕事をしたり、マルシェに出店したりと試行錯誤しながら店を続けてきました」

やがて、マルシェで出会ったお客さんに来店いただけるようになり、評判が口コミやインスタグラムなどのSNSで注目が集まり、今では、女性客を中心に県内外からもお客さんが訪れる人気店となりました。特に、珍しい草花の個性的なドライフラワーが好評で、ブーケやリースなどのアレンジメントを求めて多くのお客さんが集います。

お店で花にゆっくりとふれて過ごしてもらうきっかけになればと、開業して3年後にはカフェを併設しました。カフェメニューには、アジアンテイストのフードやスイーツ、ドリンクが並びます。タイで料理教室に通うなどした自身の経験を活かし、日本人の口にも合うようにアレンジしていますが、本格的なタイ料理の味を楽しめます。

もともと東南アジアが好きで、とりわけタイのチェンマイには年に2回は行っているという佐藤さん。「チェンマイには『バーンロムサイ』というHIVの母子感染やさまざまな事情で孤児となってしまった子どもたちの生活施設があります。バーンロムサイでは、子どもたちの自立のための事業として、裁縫場とコテージリゾートを運営していますが、彼らの支援に少しでも役に立てたらと願い、そこでつくられた服飾や雑貨を仕入れて、定期的なイベントを催して販売しています。また、チェンマイへ訪れる際は、そのコテージで宿泊することでも応援しています」

さらに、今後は現地でお花のワークショップを開催しようと考えているとのこと。「10年ほどこの施設を訪ねて温めている計画なのですが、現地で仕事を創出して直接に貢献できればと思い、施設の方と相談しているところなのですよ」と、目を輝かせています。

人の心に寄り添ってくれる、お花の力を暮らしに取れ入れて

「同じ花束を10個つくるより、10種類の方が楽しい」と笑う佐藤さん。その独創的なアレンジのセンスを学ぼうと、初めての方からリピーターの方まで多くの方が定期的に開催しているフラワーアレンジメントのレッスンを受けにお店を訪れます。

佐藤さん曰く「花は結果がすぐわかるのがいい」とのこと。「見た瞬間、『美しい』『華やか』『嬉しい』『幸せ』など、すぐに反応できるのが花を愛でる良さだと思います。プレゼントされた花が素敵だったのでと来店されるお客さんもいらっしゃいます。贈る方も贈られる方も幸せな気持ちになる、そんなお花を届けていきたいですね」

unitedbambooさんでは、生花のアレンジは原則、予約制。当日の急なご依頼にも対応できますが、その時の花の仕入れ状況次第になってしまうので、ご希望のある方は3日前までに連絡ができれば、イメージ合わせたアレンジを創ってもらえます。プレゼント用のラッピングにも対応可。また、ドライフラワーのアレンジには、1週間ほどかかるので、早めにオーダーをとのこと。お部屋などを飾るための手軽なドライフラワーであれば、店頭でも豊富に取り揃えています。

「お花の力って素晴らしいと思うんです。人を勇気づけたり、励ましたり。喜びのときも、哀しみのときも、人の心に寄り添うことができるのが花。まさに、人生は花とともにあり。“Life With Flowers” ですよね」

お花を取り入れて気分を輝かせたいときも、おいしいカフェメニューで一息つきたいときも、ふと立ち寄れる寄れる大人の隠れ家unitedbambooさん。そこには心落ち着く、とっておきの時間がゆったりと流れています。

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